変態的な物を企画して発明して作るブログ

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「ウェアラブルリコーダー」クラウドファンディング活動報告を更新しました!(3月6日)

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こんにちは!
TORICOTORの「ぼを」でございます。

前回に引き続き、プロジェクト成功後の試作実施について考察を重ねていきます。
試作の回数を最適化(最低回数で最良の結果を得る)為には、どの順番で開発を進めて行くか、が重要になってきます。今回はちょびっとだけ学術的な話をさせて頂きますね。

ご存じの通り、一般的なリコーダーは大きく以下3つの部品からなります。

1.頭部管(吹き口やエッジ窓のある部品)
2.中部管(穴の沢山ある筒ですね)
3.足部管(お尻の穴が開いている部品)


恐らく皆さんが小学校で使ったソプラノリコーダーは、これら3つの部品を分解できたのではないでしょうか?

まず、リコーダーの音を正しく鳴らすのに最も基本となり、かつ重要なのが頭部管になります。つまり、吹き口の形状、窓のサイズといったウィンドウェイを正しく設計し、最適なカルマン渦を発生させ、美しい音色と音量を得る事が重要です。

単純に「吹き口があり、窓のエッジがある」だけかと思われるかもしれませんが、実際のリコーダは非常に複雑な形状をしています。

木工で作る場合は、やすりなどを使って細かく調整していきますが、3Dプリンタであれば設計さえうまくいけば、一気にプリントできます。

次に、足部管です。
ここからは「アドミタンス」という概念を使います。

電子工作をやられた事のある方や、ヘッドフォンに詳しい方は「インピーダンス」という言葉を耳にした事があるかと思います。
交流回路の世界で、アドミタンスは、インピーダンスの反対の概念の言葉になります。

インピーダンス:電流の流れにくさ(impede:邪魔をする)
アドミタンス:電流の流れやすさ(admit:通る事を許す)
アドミタンスインピーダンスの逆数となります。

リコーダーに応用した場合、これは管全体における「息の通り易さ」と考えます。
したがって、アドミタンスが大きいほど、音は高くなります。

↑こういう笛は、管径と管長でアドミタンスを調整し、音程を作っています

リコーダーのアドミタンスは、「エッジ窓」「指穴」「尻穴」の合計値からなり、穴の大きさや管の長さの影響を受けます。

例えば、穴のサイズが大きければ、息は通り易いのでアドミタンスが大きくなります。
また、同じサイズの穴でも、吹き口から離れると息が通りづらくなりますので、比較してアドミタンスが小さくなります。

このアドミタンスが管内の実効長(物理的な長さではなく、アドミタンス上の長さ)を形作り、音程を作る事になります。(運指が必ずしも足部管から順番にならずに、途中の穴をふさがなかったりするのは、アドミタンスを的確に調整するためです)

今回は、エッジ窓と尻穴以外のアドミタンスが0の状態(=中部管のすべての穴をふさいだ状態)で「C管」の調律を目指します。
通常のリコーダーであれば、音程は管径と管長に左右されます。
従いまして「正確に16.5cm」にしようとした場合、長さを変化させるか、管径を変化させる必要があります。これを足部管のアドミタンスを調整する事で「物理的な管径と管長を確保したままC管を作る」事を目指します。

そして、中部管です。
ここからも、アドミタンスの概念に従い、穴の位置と大きさを調整していく事になります。
実効長の調整は、アドミタンスが小さい順の方が行いやすい為、低い音程から順に調整をしていくのが適当と考えられます。

以上より、今回のウェアラブルリコーダーを試作する最適な手順は、以下だと考えられます。

1.頭部管の設計をする
2.中部管のアドミタンスが0(中部管の穴がすべてふさがれている状態)において足部管を設計する(C管)
3.中部管を、音程の低い順から穴を開け、チューニングしていく(チューナーを使って正確な音程に合わせます)
4.変形ギミックを調整する
5.ギミックによる調律のずれを微調整する


今にも試作を開始したくてウズウズしております。
引き続き、ご支援の程、宜しくお願いします。

出典:バロック木管図書館
https://woodwind.at.webry.info/200604/article_8.html



 

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